Photo Life

Photographer's diary

賀茂川の岸辺より

photo by Yuji Ito (2point) Text by Yoshimi Yoshimoto (Design Studio Paperweight)

2016.10.06
© photo by Yuji Ito (2point) 無断転載禁止

叡山電鉄出町柳駅付近から賀茂川の上流にかけてを散歩するのが嫌いな人などいないでしょう。高野川と賀茂川が合流する辺りからの眺めが抜群です。

まず、2つの川がスムーズに合流するようにと作られた導水堤(中洲)は、憩いの場でもあり、水だけで無く人々の交わりもスムーズに見えます。

中洲の先端の方まで歩いて行って南を見れば、長い夏の間に青々と京都を飾った木々が、やがて憂いを見せ始める表情の向こうに、河岸の町屋の景色が見えます。そして北を向くと下鴨神社の森と、遠くには比叡山の姿が。何とも心が和む風景がここにはあります。

下鴨神社へ歩いてみましょう。叡山電鉄出町柳駅から徒歩10分弱(かなり強力だという噂の縁結びの神様が鎮座してるから、恋愛中の人は絶対行かなきゃね)。糾の森(ただすのもり)の中の、長い長い1本の参道は、京都でも最古の神社の1つ、下鴨神社へと続いています。正式には、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)で、糾の森と共に、世界遺産に登録されています。爽やかな気持ちの良い参道を歩いていると、何だか心が清らかになった気がして来ます。

下鴨神社へ行ったら必ず立ち寄るのが、甘味処の『加茂みたらし茶屋』。看板メニューのみたらし団子は、元は神様への捧げものだったという、由緒正しきもの(みたらし団子発祥の地とも云われています)。下鴨神社境内にある御手洗(みたらし)池に湧き出る、水の泡を型どった、まんまるのお団子が串に5つ。上新粉だけで作ってあるから、歯応えはもちもち。口の中に香ばしさと、ほんのり優しい甘さが広がります。わらびもちも美味しい。他のメニューも充実してるから、甘党には大変に嬉しい店でしょう。

下鴨神社から賀茂川に戻り、そのまま川辺を辿りながら北に向かうと、糺ノ森とは又違う、京都の川が持つ独特の清廉な雰囲気に包まれ始めます。春は桜の名所として観光客で騒がしくなる場所ではありますが、秋から冬にかけての、その切ないまでの静けさが、訪れる人の気持ちをノスタルジックにさせてくれます。愛犬の散歩中の人と学生が交差しつつ、夕日を浴びている姿を見ているだけで飽きません。水面に夕日や大木の影が落ちる瞬間、何とも特別な気持ちになりますよ。

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