Column

小さくて愛おしいものを愛でる気持ちが、可愛いの始まり

Text & photo by Yoshimi Yoshimoto (Design Studio Paperweight)

2016.10.06

犬や猫の雑貨を見かけると、ついつい買ってしまいますよね。生きた犬や猫に日々囲まれていてもそれとは別の存在なのです。このコラムではそんな気分を分かち合える飼い主さんたちに楽しで貰えたら、と思います。第1回目はグリコのおまけの話。江崎グリコは2010年から、主力商品「グリコ」のおまけの玩具を、 木製の「アソビグリコ」に改めました。 小さくても実際に遊べるパズルやだるま落とし、楽器もあります。

しかし木を材料にした場合、「金型に流し込めば終わり」という訳には行きません。角材を切ったり、ささくれを取り除いたり、とがった部分を削ったりといった「手作業」が増え、 それだけコストもかかります。人件費を削るために中国の工場で製造し、試作と改善を繰り返したそうです。

「グリコ」は1927(昭和2)年から玩具がおまけとして入れられるようになりました。バスや自動車等の乗り物、動物、ままごと用具があり、綺麗に国内の職人により着色されていましたが、木で作ってあるため形の自由度に制限が発生したり景気の上昇によりコスト高となり、次第にプラスチック製が多くなってきました。木では出来無い複雑な造形が可能だったし、色もカラフルであるし、わたしはこれも嫌いでは無い。

ただ、木の独特の温かみ、触った感じの素朴さには特別な魅力があるのです。写真はわたしの仕事場の近くにあるアンティーク(ユーズド)ショップで買った、昭和中期の犬のおまけ。多分犬小屋と犬は別のおまけだとは思うし、これの元の持ち主が恐らくマジックペンか何かで描き加えた後はあるけれど、何となくこの犬の寂しげな感じが気になってしまいました。とても小さく2センチにも満たない。手作りの可愛さ、そう、「可愛さ」の語源は確か「可哀想」だったな、小さくて愛おしいものを愛でる気持ちが、可愛いの始まりだったな等と、眺めてはひとしきり思うのです。

これも古いグリコのおまけ。愛嬌のある顔だと思いませんか。どうにもこういうモノを見ると、ついつい買っちゃって、仕事場が、自分の机廻りが、手狭になってゆく。でも止められない。

しかしこの親子犬、何故つながれているのでしょうね。親犬と子犬をこうして意味不明につないじゃうセンスはグリコには無いはずだから、これも元の持ち主が妙な発想でやっちゃったのかも知れない(笑。今まで何処をどうして過ごして来たのかを想像してみたりも、こういうモノを買うときの楽しみとなるのです。

© 2018 DESIGNSTUDIO PAPERWEIGHT Ltd.

RECENT ENTRIES